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2022.01.25

いつか珈琲屋 近藤啓さん インタビュー Part 2

いつか珈琲屋 近藤啓さん インタビュー Part 2

神奈川県の平塚にある「いつか珈琲屋」オーナーの近藤さんは、ファウンテンコーヒーメーカーと2度目となるコラボレーション。今回は前回の「Top of Japan」とは趣向の違うコーヒーを選んでいただきました。「インド バドネカーン SL33 ミディアムロースト」という、あまり見かけないインド産のスペシャルティコーヒー。ファウンテンコーヒーメーカーとの相性はいかに?

軽やかでさわやか。
喉越しはスッキリとしたコーヒー

いつか珈琲屋 近藤啓さん インタビュー Part 2

インドはダージリンやアッサムといった紅茶の名産地として有名ですが、実はコーヒーの生産量も年々伸び、そのクオリティも上がっています。アラビカ種とロブスタ種を年間45万トンも生産しています。大きな人口を抱える国なので、その半分が国内で消費されてしまうとのこと。それでも選ばれた最高級品が世界各国に輸出されています。
このコーヒーはインドの南西部にあるカルナータカ州のチクマガルール地方で栽培されました。標高約1400mという高原で、主に12月から2月に収穫期を迎えます。

いつか珈琲屋 近藤啓さん インタビュー Part 2

実はこのコーヒーは、いつか珈琲屋の創業者である先代の加藤が実際に現地を訪れて、品質の向上などに携わった農園からのものです。インド産を主に扱うコーヒーの専門商社、メルティコーヒーさんから品質向上のためには何から手をつければよいかを相談され、それを調べるために初めてインドを訪れたのが2018年。翌年の12月も足を運びました。残念なことに加藤は2020年5月に亡くなったのですが、彼の強い意思が込められたコーヒーでもあります。

やさしい味わいのインドのコーヒー
ファウンテンコーヒーメーカーでよりクリアな味に

このコーヒーそのものがもつ味わいの特徴としては「スッキリ」。どことなく「すだちのような」風味が感じられる爽やかなコーヒーです。焙煎はミディアムに仕上げて、よりいっそう軽やかに仕上げました。 インドのコーヒーは尖った味わいや突き抜けた特徴があるというコーヒーではなく、飲みやすくバランスがよい、やさしい味わいのコーヒーが多いと言われています。名茶を育てる土壌が関係しているのか、ほのかにティーライク(お茶のような)風味がほんのりと感じられるから不思議です。

いつか珈琲屋 近藤啓さん インタビュー Part 2

このコーヒーをファウンテンコーヒーメーカーで淹れると、スッキリとした中にも独特の柔らかさが生まれ、期待通り「透明感」のある味に仕上がりました。インドのコーヒーの特徴が素直に引き出せていると感じています。ホットで入れてもおいしいですが、コールドブリューでもその味がきちんと出ていますので、温度の調整をしながら、その日の気分に合わせて味や風味を変えて飲んでいただきたいですね。

いつか珈琲屋 近藤啓さん インタビュー Part 2

飲み方、淹れ方はお好みで。
コーヒーを自分流で楽しんでいただきたい

コーヒーは嗜好品。だから100人いたら100通りの好みの味があります。味の好みに正解はないので、飲み方も淹れ方も「こうしなければならない」という決まりがない、というのが持論です。様々な場面、気分に応じて淹れ方を選んでいただくのも楽しみが広がっていいなと思います。お友達が集まった時などは、ファウンテンコーヒーメーカーを使うと一度に何杯も入れられますし、待ち時間にはそのユニークな抽出の様子をみなさんで楽しんでいただくことができてとても良いのではないでしょうか。

スペシャルティコーヒーは通常のコーヒーよりも地域の特徴が出るものですが、同じ豆を買っても、深く焙煎したものと浅く焙煎したものではまったく味は変わります。いつか珈琲屋では、自分たちが「これ!」と確信したスペシャルティコーヒーを仕入れ、その豆にあわせた焙煎をし、お客様がスペシャルティコーヒーを満喫してできるようにお手伝いしています。コーヒーの魅力を語ると、その深さばかりが注目を集めがちですが、コーヒーの魅力には幅の広さがあると感じています。淹れ方、飲み方は何種類もありますし、それに付随する抽出の道具、焙煎の方法、コーヒーの生産地、どのような人がどのように携わったかもさまざま。コーヒーの歴史も実に幅広く、面白い。そんな幅の広さを感じながら、スペシャルティコーヒーを通して自分流の楽しみ方を見つけていただけたらと願っています。

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